30〜50代は関節リウマチに要注意
「動かさなくても関節が腫れて痛む」これは関節リウマチに見られる症状です。手足の指、膝、肘などの関節に炎症がおこり、放っておくと関節が変形してしまうこともあります。国内における関節リウマチの患者数は約70万人ともいわれています。特に、30代から50代の発症率が高く、男女比は1:4と女性に多くみられる病気です。
関節リウマチ診断基準
関節痛を招く病気は、関節リウマチ以外にもあるので医療機関で正しい診断、治療を受けることが大切です。
- 朝のこわばり(1時間以上)が続く※
- 3カ所以上の関節の腫れが続く※
- 手の関節(手関節、中手指節関節、
近位指節関節)の腫れが続く※ - 左右対称性の関節の腫れが続く※
- 手のエックス線写真で変形が認められる
- 皮下結節がある
- 血液検査でリウマチ反応が陽性である
※は6週間以上
アメリカリウマチ協会「関節リウマチ診断基準」より
放っておくと骨や軟骨が破壊される
関節リウマチの原因は、身体の免疫システムの異常やウイルスによる影響であると考えられています。初めは、関節のこわばりや痛み、発熱などが現れますが、こうした症状を放っておくと骨や軟骨を破壊し、関節の脱臼や変形を引き起こすようになります。リウマチが進行している間は、微熱があり疲れやすくなるため、睡眠を十分にとり、疲れを感じた場合は無理をせず休憩をとること。また、関節が冷えることによって、痛みが悪化することもあるので、できるだけ冷やさないように気をつけましょう。
早期発見、早期治療を
関節リウマチの進行はとても早く、発症後1年以内に関節の破壊が急速に進みます。このため、異常を感じたらすぐに治療を開始することが大切です。
関節リウマチの主な治療として、関節の腫れや痛みを抑えて関節破壊の進行を抑える「薬物療法」、腫れ上がった滑膜の切除や、破壊された関節を人工関節に置き換える「手術療法」、そして薬物療法と並行して行われる「リハビリテーション療法」が挙げられます。
リハビリテーション療法は、温熱、赤外線、超音波、レーザーによって炎症を抑え、痛み・腫れ・こわばりをやわらげるもので、症状の改善やQOL(生活の質)を向上させるうえで重要な役割を担っています。
まずはお気軽にご相談ください。
院長 林 一成